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ドクダミ茶

 東南アジア、ヒマラヤと北アメリカに分布するドクダミ科の多年草で、平地の日陰や林中に群生しています。十の薬効があることから十薬(じゅうやく) とも呼ばれています。
 フラボノイド成分としてのアゼリン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、クエルセチン、レイノウトリン、ヒペリン、ルチンやメチルケトン、カプリンアルデヒド、カプリン酸、クロロフィル、カリウムと臭い成分のラウリルアルデヒド、デカノイルアセトアルデヒド(精油)を含みます(1)。特有な臭いは抗菌成分のデカノイルアセトアルデヒドとラウリルアルデヒドによります。但し、臭い成分は乾燥すると臭いもその抗菌作用(毒消し)もなくなります。花・葉・果実のフラボノイドは同じで、全草に精油が含まれていると言われています。

ドクダミ全草に含まれる微量金属の濃度(ppm)
 Na KCaMgFeMnZnCu
含有量21254,3007703,4305001205626
溶出量92.118,4001101,47025043194.3


  条件:乾燥細粉5gを水100mlに加えて50mlになるまで加熱した濾液
 生の葉に含まれている精油には抗菌・抗カビ・抗ウイルス作用があり、クロロフィルは膿を吸い出し細胞を再生する働きがあります(1)。精油中の抗菌成分にはデカノイルアセトアルデヒド、メチネ-n-ノニルケトン、α-ピネン、リナロール、カンフェン、d-ノモネン、ボルネルアセタート、カリオフィレン、ミルセン、ラウリルアルデヒド、コルダリン等があります(1)。特にデカノイルアセトアルデヒドはカビの発育抑制、水虫、たむし、いんきんたむし等に対する抗菌作用とブドウ球菌、淋菌、抗酸性細菌に対して有効であるようです(3)。クエルセチンには血管を拡張させ血圧を調節する作用とともに抗菌活性があります(1)。
 クエルシトリンには強い利尿作用、強心、血管収縮、毛細血管の強化、白内障阻止、糖尿病阻止作用がある(3)ほか、その抗酸化作用はベータカロテンと併用すると相乗的に増強するようです(5)。
 フラボノイド成分としては緩下、消炎、血管強化、血管拡張、血小板凝集抑制、老廃物の排泄作用があります(1-4)。十薬ではクエルセチンによる利尿作用があるとされるが、ドクダミ茶には利尿作用はなく電解質排泄のみを増加させるという報告もあります(6)。十薬の煎液にはマウスとネコへの投与で中枢抑制作用が認められています(3)。
 化膿性皮膚炎、膀胱炎、外陰炎、膣炎、食中毒、冷え症、肩こり、水虫、湿疹、にきび、肌荒れ、真菌症などや、解毒、蓄膿症、化膿性のはれものができたときに良いようです(1-3)。
 葉茎・花補は血行促進、高血圧、動脈硬化、腎炎、膀胱炎、心臓病、脳出血、便秘、尿の出が悪いときなどに良いようです(1,2)。
 昔から毒消しの妙薬として知られています。悪臭防止効果もあります(7)。
 5〜7月、花の咲いているときに地上部を刈り取り、水洗いして水気を十分取り、日干しで乾燥させます(十薬じゅうやく)。乾燥させると臭いがなくなります。一度にたくさん作るときはひもなどで吊します。
 細かく切って、軽く炒ったあと、熱湯を注いでしばらくたってから飲みます。高血圧、常習便秘の人はお茶代わりに飲むと良いそうです。高血圧の人はドクダミ茶とハブ茶を半量ずつ混ぜて飲むと良いとも言われています。
 煮出す場合は、1日量10〜15gを400mlの水で約半量になるまで煮詰めカスを除いて、3回に分けて食間に温めて飲みます。
 体が冷えたときや体質に合わない人は飲まないこと。
 カリウムが高濃度含まれていますので、腎機能の低下する高齢者、腎機能の低下している患者、カリウム保持性利尿剤、副作用として高カリウム血症を惹起する薬剤等を服用している患者は高カリウム血症を惹起する可能性があります(1)。
 ドクダミによる膿疱性乾癬型接触皮膚炎、中毒疹、苔癬型薬疹、重症型肝障害、急性出血性胃炎、光線接触皮膚炎、光線過敏症の症例報告があります(8-14)。
「生のものを使う」
 5〜10月には茎葉を、冬は地下茎を使います。
 靴ずれ、股ずれ、おむつかぶれ、カミソリ負け、水虫などのはれもの、おでき、湿疹やかぶれには・・茎葉をすりつぶして患部につけ、ガーゼなどで軽く押さえて包帯をしておきます。1日3回くらい新しいものと交換します。
 にきびには・・就寝前に洗顔し、茎葉のすりつぶした液をつけ、パウダーなどをつけておき、翌朝洗顔します。
 には・・地下茎をすりつぶして飲むか、ドクダミ茶を飲みます。
 蓄膿症のときは・・就寝前に茎葉をすりつぶし、液を脱脂綿に含ませるか、生の葉を柔らかくもみつぶして鼻の穴につめておくと、膿が出て頭が軽くなります。1日おきに片側ずつ交互に行います。




 1健康食品Q&A,古泉秀夫,(株)じほう,2003
 2専門家が教える健康食品栄養成分早わかり,西崎 統,幻冬舎,2001
 3日本薬草全書,水野瑞夫監修,新日本法規出版,2000
 4十薬中の血小板凝集抑制成分の単離と構造決定,西谷 宏,日本薬学会107年会,382,1987
 5β-カロテンとクエルシトリンの相乗的抗酸化作用,眞岡孝至,医学と生物学,129(2),69-73,1994
 6マウスを用いた杜仲茶及びドクダミ茶における利尿効果の比較検討,波多江崇,医学と薬学,45(2),245-248,2001
 7人工肛門保有者の看護 ドクダミの悪臭防止効果と継続看護の試み,遊佐由美子,医療,40増刊3,553,1986
 8ドクダミによる膿疱性乾癬型接触皮膚炎の1例,秦 直子,西日本皮膚科,63(3),338-339,2001
 9ドクダミ茶による中毒疹の1例,竹内 誠,日本皮膚科学会雑誌,108(9),1193,1998
 10ドクダミ茶による苔癬型薬疹,吉岡敏子,皮膚科の臨床,39(2),367-370,1997
 11ドクダミ入り焼酎に起因したと考えられた重症型肝障害の一例,鶴谷 孝,川崎市医師会医学会誌,13,87-92,1996
 12ドクダミ(十薬)茶による急性出血性胃炎の一例,野口隆俊,日本東洋医学雑誌,43(3),430,1993
 13どくだみによる植物性光線接触皮膚炎,Saito Fumio,Environmental Dermatology,2(3),208-211,1995
 14乾燥ドクダミ煎じ汁によると考えられた光線過敏症,高橋仁子,皮膚科診療,7(1),21-24,1985